343回 泉谷しげるの描き下ろし漫画『ローリングサンダー』
時は2025年。環境破壊を原因とする災害が頻発し、地球滅亡が迫っているのにかかわらず環境破壊を一向に辞めない人間たち。AIを駆使する過激な地球環境保護団体は人類を殲滅するべく、ゴースト(魂)を搭載したAIロボットを兵器として人類に戦いを挑む。
人類は民間軍事会社を組織し、それに対抗。
AIロボットによる未曾有の大侵攻を前にし、民間軍事会社WB(ワイルドブラッド)に所属するフリーランス戦闘員のハンドガン・ケイとビッグマウス竜にAIの監視が届きにくいアナログシティで戦闘グループに加わるようにという指令が下る…。
ミュージシャン・泉谷しげるが描き下ろしで漫画単行本をだすという情報を知った時、特に注意を払うことはなかった。泉谷が10代の頃は漫画家を目指し、虫プロから発刊されていた『COM』に投稿して掲載されたり、貸本マンガを出版していた東考社に投稿した作品が同社の単行本に掲載されたことがあるのは知識としてはあったが、どういう作品を描くのかとか想像もつかないし、自分にひっかかるようなものが出てくるとは全然思っていなかった。
しかし、友人である作家・江波光則によるXの投稿によって、その作品『ローリングサンダー』の表紙画像を目にしたときに衝撃が走った。
「なにこれ!」
両腕が銃になった人物(ヒロインであるハンドガン・ケイだと判明)。ガンベルトを二本肩から掛けた、いかにも「お、おではおこってるんだぞー」といった怪力っぽい大男。二本の刀をかかげる強化服をきた女性。座頭市というか、石森章太郎『佐武と市捕物控』の市みたいな人。顔の反面が機械的な仮面で隠された強化服の人。2丁の巨大な銃をかまえるサングラスでモヒカンの男(ケイのバディであるビッグマウス竜だと判明)。眼鏡をかけてるモブっぽい普通の人。
どう考えても色々とおかしいし、何かが起こっているような気しかしない。
しかも、内容はサイバーパンクだという。公開された他の画像も巨大なロボットみたいなやつとか、こちらの混乱に拍車をかけるようなものしかない。だいたい、ローリングサンダーとはなんなのか? これは読むしかないのでは。